御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~

「おおっ……パンク!」


 それを見ていたハジメが、後ずさりした。


 ハジメがおののくのも無理はない。

 ヘルメットの下のしのぶといったら、ツーブロックの黒髪の短髪に、所々金のメッシュを入れた個性的な髪型であり、なおかつ首に入った蛇のタトゥーがかなりおどろおどろしいのだ。

 そしてそこに『清水酒店』と染め抜かれた前掛けをかけている。


「……清水酒店?」


 それを目ざとく発見したハジメが、ガラリと表情を変え、キラキラした笑顔で近づいてきた。


「いつもお世話になっております、山邑始です」
「どーも」


 しのぶは抱きしめていた美月を下ろし、受け取った名刺を見て、軽く頭を下げた。


「名刺は持たされてません。申し訳ありません」
「いえ、お気になさらず。それにしても……」


 ハジメは目を細めて、ニヤリと唇の端を持ち上げる。


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