御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~

「何言ってんだ。美月は魅力的だっつーの。めっちゃ可愛いし、性格も穏やかで優しいし、頭もいいし、素直に育てられたサイコーのお嬢さんだっつーの」


 グサリ。
 上品なフォークを皿の上のイカに突き立てて、しのぶはプルプルと震えていた。


「あいつはマジでバカだ。婚約なんて、相手の女のいいなりになって。もうちょっとまともな男だと思ってたぜ」
「……しのぶちゃん」


 その様子に、胸の奥がじわじわと締め付けられるような痛みを感じる。


「私が知ってる人だって聞いたんだけど……誰なの?」
「……」


 しのぶの切れ長の目がためらうように宙を動く。


「お願い。今ここで知っていたほうがいいから。しのぶちゃんから聞いたほうが、ずっと楽だから」


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