御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~

 けれど今は優しくされたい。滉一のことを早く忘れたい。
 そして矛盾しているようだが、二度と男に寄りかからないで済むよう、一人で強く生きられるようになりたかった。
 

「ただ帰ってきたときの美月の態度が気になったんだが、何かあったのか。暗すぎるとかなんとか……」
「ああ……」


 美月は一瞬どう説明していいものか悩み、隠しても仕方ないと、小さくうなずいた。


「その……元彼の滉一君主催の同窓会があるって、しのぶちゃんから教えてもらって……」


 口に出して説明していると、また感情が高ぶってくる。


「多分新しい彼女を……こっ、婚約者として連れてくるだろうから、私はこない方がいいってっ……」


 唇がわななき、声が震える。
 もう泣きたくなんかないのに、じんわりと涙が溢れてくる。



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