御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~
もちろんハジメに、二人が一時的とはいえそういう関係になったことはいっさい、ほのめかしてすらないのだが、ハジメは意味深に雪成を見つめ、ワイングラスをユラユラと揺らしている。
「ハジメはいちいち芝居がかってるからな。こいつが合わせられんだろう」
ワインをスイッと飲み干して、雪成は席を立った。
「まぁ、そういうことにしといてあげてもいいけど……みっちゃんはいいの?」
ハジメは雪成の後を追うように立ち上がる美月を見上げる。
「えっと……た、助かります……それは、本当です……」
「ふぅん、そっか。でもまぁ僕だっていつでもウェルカムだからね。ユキじゃダメだなって思ったら、頼ってくれていいからね」