御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~
加藤翠子は飛び抜けて洗練されていて、美しかった。
もともとお嬢様育ちではあるが、東京で生活して磨き上げられたに違いない。
髪、爪、肌、メイクと、どこにも隙がなく、美月は圧倒されていた。
「まさか来るとは思わなかったからビックリしちゃった。見た目によらず結構神経が太いのね」
邪気なく笑う翠子は、明らかに戦闘態勢である。
(まさか向こうから来るとは思わなかった……。)
美月としてはなんとなく、自分の存在は無視されるものだと思っていたのだ。
「加藤さん……」
滉一の姿は見当たらないが、彼女の立場からしたら、長く付き合っていた元カノの存在などお呼びでないに違いない。
もしかしたら嫌がらせに来たと思われているのかもしれない。
(私は私を守るためにここに来たけど……。彼女の立場になれば、確かに悪かったかも……。)