永すぎた春に終止符を
梨沙は、伸びて来た腕を反射的に振りほどいて、暗い部屋の中で目を凝らす。


「拓海なの?何でこんなとこにいるの…」


「ずっと前から、梨沙の帰りが遅い時はこうして部屋で待ってたじゃないか…」
拓海は梨沙に向かって、悪びれずにいう。


いつの間にか、彼の腕が伸びてきて、腕の中に引き戻された。
「ダメだって。別れたんだから」


「俺は、別れたって聞いてない」
どんなに、優しくキスしようと私達が、元に戻るわけじゃない。


「私は、もう…ダメだって思ってる。だから、もう…ちょっと…何…離して」


「話なら、後でな…」


強引に重ねられる唇…
肌がふれ合えば、お互いを必要としてるのが、すぐ分かる…

梨沙だって…拓海の姿見るまで、平気だと思ってた。

でも…腕の中でぎゅっと抱きしめられたら、今まで考えてた事なんか…どうでもよくなる。


「3日も会ってないんだ…もう限界…梨沙…別れるのは、もういいだろう?」

「拓海、ちゃんと私の話を聞いて…」


「話は後だって言ったぞ。そんなことより、梨沙どこにも行くな」


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