永すぎた春に終止符を
オフィスに戻ると、ネクタイの予備を探した。
壁際のキャビネットのどこかにあるはずだ。思い当たる場所を探しても見つからない。

梨沙は、諦めて聞くことにした。
「幾美さん、ネクタイの予備ってどこに有りましたっけ?」


「棚にないかな?あっ、そこじゃなくて、その1つ上。この間棚を整理して、中身入れ替えたから。そうその箱。その箱の中にあると思うけど…」

「ありました。ありがとうございました」
梨沙は、箱の中からネクタイを一本取り出した。

「営業企画部の人が、ネクタイ汚しちゃって…」梨沙は、箱を元に戻して、ガラス戸を閉めた。


「ん…それは?」幾美さんが、梨沙の机の上にあるネクタイは違うのって顔する。


「汚れた方です…」


「ああ…本当だ。派手にやったね」


「郵便局に行くついでに、クリーニング行ってきます」


「ん、わかった」


午前中に請求書を発送しておいてよかった。午後は営業から、あれこれ用事を言いつけられて、夕方近くまでかかってしまった。
請求書ができてなかったら、残業になるところだった。


「それから、金曜日の、出欠席の確認取れてる?」
そう聞かれると思って確認しておいてよかった。

「はい。今日までの集計は取ってあります」

梨沙は、郵便局に持っていく封筒に糊付けしながら幾美さんの質問に答える。


「店の方にも、連絡しておいたほうがいいかな」


「はい。大まかな人数は伝えてあります」
それも、確認は済んでいる。


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