常務の秘密が知りたくて…
今回の遠征は国境付近での小さな村との協定交渉が主だった。俺は剣の腕には自信があるが、頭を使ったり駆け引きとかは苦手だ。そういうのは得意な副官に任せることにしている。
思ったよりも事は容易く進み相手との交渉も上手くいったので、早々に宴が催されていた。机には豪華な食事に惜し気もないほどの酒も並べられており、皆盛り上がっている。
「ヒューゲル隊長、今後ともシュテルン王国と我が村とをどうぞよろしくお願いいたします」
特別に大きな椅子にもてなされた俺のところに長老らしき人間がわざわざ綺麗な娘をつれて挨拶にやってきた。娘は俺の両隣に座り酒を注いでくれる。その手に何気なく視線がいった。
傷一つない真っ白な小さい手。そうだ、女の手はこういうものだ。
「どうされました?」
娘が視線に気付いたのか、妖艶な笑みを浮かべてこちらを見ていた。
「村一番の綺麗どころです。お気に召されたのならどうぞご自由に」
長老の口角が上がる。それがどういう意味なのかぐらい理解できる。今までもこんな機会はいくらでもあった。すり寄ってくる娘の甘い香り。目の前には旨い酒があって交渉も上手くいった。何も申し分はない、でも。
気付けば、自分にくっついていた娘の肩を押して距離をとっていた。
「その娘では気に入りませんか?」
「そういうわけではない」
長老の些か慌てた声が耳につく。
「では我が村で作った自慢の酒をお持ち帰りください。ヒューゲル隊長は酒がお好きだと聞いていますゆえ」
「かまわない」
さらに何か言おうとする長老を制して俺はあるものを指差した。
「代わりにあれを」
思ったよりも事は容易く進み相手との交渉も上手くいったので、早々に宴が催されていた。机には豪華な食事に惜し気もないほどの酒も並べられており、皆盛り上がっている。
「ヒューゲル隊長、今後ともシュテルン王国と我が村とをどうぞよろしくお願いいたします」
特別に大きな椅子にもてなされた俺のところに長老らしき人間がわざわざ綺麗な娘をつれて挨拶にやってきた。娘は俺の両隣に座り酒を注いでくれる。その手に何気なく視線がいった。
傷一つない真っ白な小さい手。そうだ、女の手はこういうものだ。
「どうされました?」
娘が視線に気付いたのか、妖艶な笑みを浮かべてこちらを見ていた。
「村一番の綺麗どころです。お気に召されたのならどうぞご自由に」
長老の口角が上がる。それがどういう意味なのかぐらい理解できる。今までもこんな機会はいくらでもあった。すり寄ってくる娘の甘い香り。目の前には旨い酒があって交渉も上手くいった。何も申し分はない、でも。
気付けば、自分にくっついていた娘の肩を押して距離をとっていた。
「その娘では気に入りませんか?」
「そういうわけではない」
長老の些か慌てた声が耳につく。
「では我が村で作った自慢の酒をお持ち帰りください。ヒューゲル隊長は酒がお好きだと聞いていますゆえ」
「かまわない」
さらに何か言おうとする長老を制して俺はあるものを指差した。
「代わりにあれを」