常務の秘密が知りたくて…
まどろんでいた意識が徐々に現実に戻り、明るさに顔をしかめる。彼女を送り届けてからそのままリビングの電気をつけっぱなしで眠ってしまったらしい。ソファから身を起こし頭を抱えて深く息を吐いた。
これが前世と呼べるものなのか、そうじゃないのか。ただ生まれたときからこの記憶だけは、はっきりと俺の中にあった。その影響なのか物心がついた頃から俺は誰かが傍にいると熟睡することが出来ず、母親は寂しがっていたが早々に一人部屋を与えてもらった。
両親は会社を経営していたから忙しくはあったが、経済的に不自由はなく育てられた。生まれる前とは違って退屈なくらいの平凡な毎日にただ流されるだけの自分。
その中でこの記憶は俺が勝手に作り上げたものなんじゃないか、何かの夢なんじゃないのかと疑うこともあった。自分はどこかおかしいんじゃないかと悩んだこともあった。けれど、このことを誰かに相談することも出来なかった。
それにしても、もしこれが本当に俺の生まれる前の記憶なのだとしたら、どうして俺は覚えているのか。それを明確に意識させられたのは、初めて女の寝顔を間近で見たときだった。
事を終えて隣で眠る女の寝顔に血の気が一気に引く感覚は今までにないものだった。何故かその寝顔がエリスの死に顔を鮮明に思い起こさせたからだ。
これは罰なんだろうか、多くの人間を傷付けエリスまでもあんな最期にさせてしまった俺に対する。そう思うと誰かを本気で愛したり必要としたりすることも出来ず、諦めて割り切るのは思ったよりも簡単だった。
そのことを悲観することもない。そんな中で仕事に集中することはどこか罪滅ぼしのようにも思えて悪くはなかった。
これが前世と呼べるものなのか、そうじゃないのか。ただ生まれたときからこの記憶だけは、はっきりと俺の中にあった。その影響なのか物心がついた頃から俺は誰かが傍にいると熟睡することが出来ず、母親は寂しがっていたが早々に一人部屋を与えてもらった。
両親は会社を経営していたから忙しくはあったが、経済的に不自由はなく育てられた。生まれる前とは違って退屈なくらいの平凡な毎日にただ流されるだけの自分。
その中でこの記憶は俺が勝手に作り上げたものなんじゃないか、何かの夢なんじゃないのかと疑うこともあった。自分はどこかおかしいんじゃないかと悩んだこともあった。けれど、このことを誰かに相談することも出来なかった。
それにしても、もしこれが本当に俺の生まれる前の記憶なのだとしたら、どうして俺は覚えているのか。それを明確に意識させられたのは、初めて女の寝顔を間近で見たときだった。
事を終えて隣で眠る女の寝顔に血の気が一気に引く感覚は今までにないものだった。何故かその寝顔がエリスの死に顔を鮮明に思い起こさせたからだ。
これは罰なんだろうか、多くの人間を傷付けエリスまでもあんな最期にさせてしまった俺に対する。そう思うと誰かを本気で愛したり必要としたりすることも出来ず、諦めて割り切るのは思ったよりも簡単だった。
そのことを悲観することもない。そんな中で仕事に集中することはどこか罪滅ぼしのようにも思えて悪くはなかった。