リーダー・ウォーク
松宮家ご当主さまの一声は重い。
売り切れる心配なく欲しいものが優先的に買えて、サンプルは軒並みゲットして。
イベントは並ばずに優先席でのんびりと見ることが出来て。
何か食べようと思ったら丁度いいタイミングでスタッフさんから何故かお弁当貰って。
暖かいお茶までついてきて、静かな場所に案内までしてもらってゆったり食べました。
あまりにもストレス無くすんなりとイベントが観れて気分が盛り上がって、
まったく待たずに買い物も出来てしまうものだからついついチワ丸の服を購入した
うえに
オモチャも幾つか面白そうなの購入。おやつも美味しそうなの購入。
あれ?私これ破産しないかな?
後からお財布を確認してどうにか帰る電車賃だけは確保できました。
「……はぁ……帰れた…いきて…帰ってきたぞー…」
いつぞやの疲労感を思い出しながら荷物をその辺に適当において寝転ぶ。
今日はもう風呂と寝る以外は何も出来そうにない。食事を用意する気も起きない。
時計を見たらまだ3時過ぎだったけれど、とりあえず今はこのままぐっすり寝よう。
朝もちょっと早かったし。少しくらいはお昼寝してもいいだろう。
「7時になっても8時になっても電話繋がらないから心配したぞ」
「だったら諦めて寝てください。明後日には会うんだし」
「ほら。飯持ってきてやったからせめて起き上がれ。寝たまま人としゃべるな」
「…だから明日電話しますって言ったのに」
ちょっとのつもりがガッツリと夜まで寝ていたらしく、電車での移動だったので
携帯はずっとマナーモード。何度も何度もかけられてやっと目がさめたのは9時。
それから松宮が部屋に押しかけてくるまで5分としなかった。
「会議が思ったより早く終わったから。会いたかったんだ」
「チワ丸ちゃんは?」
「家だ」
差し入れの弁当を貰ってやっと立ち上がるとお茶を用意して食べ始める。
今日は昼も夜も人に用意してもらった。
「…服とオモチャとおやつとサンプルそこの袋に入ってます」
「そんなに買ったのか?」
「チワ丸ちゃんにも崇央さんにも日頃お世話になってますしね。プレゼント」
「そうか。悪いな」
「いえいえ」
「ん?何だこれ。チワ丸のにしてはでかすぎないか?この骨」
「あ。それは龍一のです」
「誰だよ龍一って」
「そんな怒らなくても。犬ですよ。犬」
「だから誰だよ」
「うちの犬です。龍一。あれ?言わなかったっけ」
「一度たりともあんたの家の犬の話は聞いてねえぞ」
ゴソゴソと松宮が袋を見ていたら出てきた明らかにチワワには大きいオモチャ。
「柴犬の龍一。すごく臆病だけど甘えん坊で可愛いんですよ」
「へえ」
「あれ。柴犬嫌いですか?」
「別に。普通だけど」
「よくシャンプーしてあげてたんですけど。今は無理だからオモチャだけでもって」
「へー」
「崇央さん?何か怒ってます?」
「いいや。ほら。骨」
「ちょ、ちょっと適当に投げないでくださいよ。…もう」