リーダー・ウォーク

寝室に入り、ベッドに座って。深呼吸。後は時計を見たり携帯を弄ってみたり。

「あんたは電気ついてないと恥ずかしいタイプ?」
「そうですね暗いほうがいいです」

カーテンは元から閉まっていて部屋の電気も消した。
時間がまだそこまで夜遅くないので真っ暗とはいかないけれどそれなりに暗い。
そもそも誰も休まないような時間から何をしようとしてるんだろうか?

「それで。稟」
「は、はい」

オロオロするのも恥ずかしいし大人しく座っていたら隣に着席。
ついに来たか!と身構える稟。

「初めてってことでいい?」
「そうですよ?え。誰と勘違いしてるんですか?失礼な」
「失礼なのはあんただろ。そうじゃなくて、あんた自身初めての経験なんだろって」
「まっまさか。私はもういい歳なんだから男の10人や20人ぺろっとですよ」

はい、嘘ですすいませんごめんなさい。

「だったらいきなり挿れても大丈夫だよな。経験豊富な女って皆そうなるからさ」
「えっあっそ、そうなんです…か」
「あとほぼ100パー騎乗位がいいらしいからそれもしてやらないとな」
「え。えっ」
「ゴム、しないほうがいいよな?刺激、たりないもんな?」

そんな一気に情報を流し込まないでください。意識が飛ぶので。

「……嘘だって分かっててわざと変なこと言ってます?」
「お。よくわかったな」
「……」
「だから言ってるだろ俺を舐めるなって」
「すいません」

子どもみたいな見栄なんてこの人に通じるわけもない。彼のほうが断然経験者なのだから。
自然と抱き寄せられて、ベッドに寝かされて。唇に軽いキスをされる。
これくらいなら今までも布団の中でやってきたことで稟もなんとか応えられる範囲だった。

ただ何時もと違うのはお互いにタオル一枚であることとその続きがあるということ。

「舐めるならもっと違う所がいいな」
「そういう下品な事いうなら私動かないから。じっとしてるから」
「どうせ何も分からなくて黙ってるんだろ。いいよ、俺が少しずつ教える」
「……崇央さん」
「なに」
「まだ何もしてないけど何か固いものがお腹に当たる」
「ああ、これは」
「いい、わかってる」

怖いのでそれどけて欲しいんですけどなんて言ってもどうせ無理だろう。
緊張しながらもタオルを外されて体を守るものがなくなる。
ここにきてやっぱり下着くらいはつけるべきだったと反省した。

「ん。稟。そんな必死に横腹殴ってくるな。せっかく味わってるのに」
「…く…くすぐったいのっ…くすぐったいの!変な所なめないでっ」
「変な所なんてないだろ。ほらここもさ……」
「あっあっだめ…笑っちゃ……ふぁーーっー!」

まだ愛撫されている途中なのにもう全身汗だくて必死に悶えて叫んで喉が痛い。
どうも他人に体を触られるとこそばゆくて悶え苦しむ体質らしい。
まさかこんなタイミングで自分の弱点を知るとは思わなかった。
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