俺様社長の恋の罠
「宮沢賢治が残したかった物語を、誰も知らないんだ。何回読んでも、分からなかったんだけど……俺はやっと本当の幸いを見つけた」
社長の言葉に、私はただじっと社長の瞳を見つめている。
社長が何を言いたいのかが、よく分からない。
どうしたんだろう。いつもと様子が違いすぎて何だか不安になってしまう。
「……美月はまだあいつの事が好きなの?」
不意打ちのその質問に、私は動揺して視線をさ迷わせた。
私はまだ、眞木のことが好きなのだろうか。前みたいに笑顔を向けられて胸が高鳴ることはなくなったけど。
今日、眞木に会って幸せそうな眞木を見て胸が痛くなった。
まだ心からの祝福を贈れない私は眞木に未練があるのだろうと思う。