カタブツ上司に愛された結果報告書
恐る恐る振り返ると、歩道橋の中腹で私を見つめる男性と目がかち合う。

その瞬間、心臓が飛び跳ねた。


真っ直ぐ私を見据える眼鏡の奥の瞳は力強くも、無表情のせいかなにを考えているのか表情からは読み取れないから。


えっと……わっ、私のことで間違いないんだよね? これで違う人のことを言っていたら恥ずかしすぎる。


ついオドオドしてしまっていると、おばあさんが助け舟を出してくれた。


「あの可愛らしいお嬢さんかしら?」

「えぇ、スーツ姿の女性です」


可愛らしい……は違うにしても、“スーツ姿の女性”は間違いなく私だ。――ということは、やはり私で合っていたようだ。


「あちらの女性が是非あなたをお助けしたいと申していたので、微力ながらお手伝いを……と思いまして」

「そうだったの、本当にありがとう。助かるわ」


え、えっ、ええっ!?


勝手に進められていくふたりの会話に、頭がついていかない。

そもそも私はこの男性とはなにひとつ会話をしていないし、おばあさんを助けたい……と伝えてもいない。
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