カタブツ上司に愛された結果報告書
それなのになぜ分かったの?

分からずに立ち尽くしてしまっていると、男性は痺れを切らしたように声を出した。


「お助けしたかったのですよね? でしたら早くこちらへ来ていただけると助かるのですが」

「はっ、はい!!」


荷物を抱え少しだけ眉を顰めた彼に、慌てて階段を駆け上がりふたりの元へ辿り着くと、男性は「お願いします」と言うと、おばあさんを支えていた手は離し、先に歩き出した。


「お願いします」っていうのは、おばあさんのことをって意味よね。

すぐさまおばあさんの背中に腕を回し身体を支えた。


「大丈夫ですか?」

「えぇ、ありがとう」


ニッコリ微笑まれお礼を言われると気恥ずかしくなってしまう。
心の奥がくすぐったい。

ハニかみながらも頷き、おばあさんと共に男性を後を追い、無事に反対側の歩道へ降り立った。


「おふたりのおかげで本当に助かったわ。ありがとう」


深々と頭を下げるおばあさんに、変に焦ってしまう。


「いいえ、そんなっ……」

「どうかお気になさらずに」
< 13 / 163 >

この作品をシェア

pagetop