カタブツ上司に愛された結果報告書
「あなたの目がそう言っていたので、余計なお節介と思いながら声を掛けさせていただきました」

「え……目、がですか?」


キョトンとしてしまいも彼は話を続ける。


「えぇ、助けたいけれど勇気が出ない――といったところでしょうか? そう判断し行動したまでです。……それに困った人がいたら助けるのは、人として当然の務めですから」


その瞬間、ずっと無表情で表情を見せてくれなかった彼が、ほんの少し口元を緩ませたのを見逃さなかった。


出会ってわずか数分。
初めて見る顔になぜか胸が高鳴り出してしまう。


なっ、なにこれ。

ただちょっと、ほんのちょっとだけ笑っただけじゃない。
それなのに、どうしてこんなにドキドキしちゃうのよ。


自分に突っ込みを入れるほど動揺いてしまい、彼の腕を掴む手の力が無意識のうちに強まってしまっていた。


「ご理解いただけましたら、腕をお離ししてくださると助かるのですが……」

「えっ、あっ! すっ、すみません!!」


先ほどよりワントーン低い声に慌てて掴んでいた腕を離した。
< 15 / 163 >

この作品をシェア

pagetop