カタブツ上司に愛された結果報告書
「どうなされたのですか? こんな時間にこんな場所で」


私だと確信すると、田中さんの鋭い眼差しが向けられてしまい、途端に怯んでしまう。


「しかもおひとりだなんて……。ご自分が女性ということをお忘れですか?」

「え、いや、その……」


代表を追い詰めるかのように私にツカツカと歩み寄ってくる田中さんに、たじろいてしまってばかりで、声が出せない。


私の目の前で足を止めると、田中さんはスマホを取り出し誰かに電話をかけ始めた。


「……すみませんが、あと四十分程お食事なさっていてください。では」


一方的に用件を伝えると、田中さんはすぐに電話を切り真っ直ぐ私を見据えた。


「行きましょう」

「え……行くって?」


既に回れ右をしていた田中さんの足は止まり、顔だけこちらに向け言った。


「あなたのご自宅以外、どこに向かうというのですか? ……送って行きますので早急に車にご乗車いただけると助かります」


え、えぇっ!?
なっ、なに!? この急展開は!!
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