カタブツ上司に愛された結果報告書
本当は今、私は真由子さんの自宅アパートで一緒になって眠りこけちゃっていて、あと少ししたら真由子さんの寝言で目が覚めるとか、そんなオチじゃないの?


それほどさっきの田中さんの言葉が嬉しくて、夢じゃなく現実なら泣いてしまいそうだ。

緩みそうになる涙腺を必死に押さえる。


「どうですか? 入社して二年になりますがもう慣れましたか?」

「……っはい、おかげさまで……」

「それはよかったです」


やっぱり夢の中にいるみたい。
あの田中さんと普通に話せている。名前を知っていてもらえた。……あの日のことを覚えてくれていた――。


もうこんなチャンス、二度とないかもしれない。
田中さんとふたりっきりで、しかも誰にも邪魔されない空間で話せるのは。


今じゃないのかな? 二年間、募らせてきた田中さんへの想いを伝えるのは。
今日を逃してしまったら、二度と伝えるチャンスは訪れない気がしてならないよ。


そう思えば思うほど胸の高鳴りは速まるばかり。


「あと少しですね」


ふとナビを見ながら時間を確認する田中さん。
同じようにナビを見れば、あと三分程で自宅アパートに到着してしまう。
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