カタブツ上司に愛された結果報告書
一方的に教えてもらっただけで、田中さんは私の連絡先を知らないわけだしと、自分にひたすら言い聞かせ、その日の夜早速田中さんにメールをした。


当たり障りない件名はもちろん【お疲れ様です】


本文には名前と電話番号とメールアドレス。
それだけ記載して送信した。


返信がなくても、ちゃんと私の連絡先を登録してくれたらいいやって気持ちだった。


それに反して田中さんはすぐに返信してくれたんだよね。
たた一言【分かりました】だけだったけど。


初めて彼から送られてきたメールは、しっかりと保護してある。


イマドキラインじゃないの? って思われてしまいそうだけど、そこがまた田中さんらしいと思えて、勝手に胸キュンしていたことは言うまでもない。


もちろん連絡はそれで途絶えてしまったけれど、これでいつでも田中さんと連絡がとれるだけで、満足だった。


そんな三日後の朝。
田中さんから突然メールが送られてきたのだ。


【明日、お時間ありますか?】と。


明日は土曜日。我が社は完全週末休み。
ということは、これはまちがいなくデートのお誘いってことだよね?
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