カタブツ上司に愛された結果報告書
どうしよう、緊張する……!

何度も頭の中でイメトレしてきたけれど、現実はイメージの世界の何倍も緊張してしまう。


チラッと隣を見れば、いつものように感情の読めない顔で田中さんが運転している。


けれどいつもとは違うことばかりだ。
この車だって、車内の香りだって、私服姿の田中さんだって……。
いつもと違い過ぎて、ドキドキしてしまう。


「行き先は私にお任せいただいても、よろしいでしょうか?」

「えっ! あっ、もちろんです!!」


緊張が最高潮のときに言われたからか、恥ずかしくなるくらい過剰に反応してしまい、大きな声が出てしまった。


はっ、恥ずかしい! これじゃ緊張しているのバレバレじゃない。


ひたすら自分の膝を見つめたまま、拳をギュッと握りしめたとき。


「すみません、突然お誘いしてしまい。……困りましたよね」

「――え?」


予想外な話に顔を上げ、目が点状態になってしまう。


「昨日の今日でしたし。それに一方的すぎました。あれでは、断るに断れませんでしたよね」


そう話す田中さんの横顔はいつも通り……ではなく、ほんの少しだけ眉尻が下がり弱々しい声を発した。
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