カタブツ上司に愛された結果報告書
人気のアトラクションに短い時間で乗れるのは嬉しいけど、私はアトラクションを制覇したくて田中さんとデートしているわけじゃない。


正直、アトラクションに乗るのはおまけみたいなものだ。


普段知ることができない田中さんの素顔を見たり、話しを聞いたりしたい。
もっと彼のことが知りたいのに、な。


「滑川さん、次へ急ぎましょう」

「……は、い」


移動するたびに手を差し伸べてくれるのは嬉しい。でも――。


「……滑川さん?」


差し出された手に触れることを躊躇してしまった。


だってこの手を取ってしまったら、また別のアトラクションまで走って並んでいるときは、田中さんずっとスマホで調べるんでしょ?


そう思うと、差し出された手を取ることができない。


手を引っ込めギュッと握りしめてしまうと、彼は申し訳なさそうに声を発した。


「すみません、疲れさせてしまいましたか?」

「え?」

「……そろそろ帰りましょうか?」


どうしてそうなるの? ……っ! そんなの嫌!
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