カタブツ上司に愛された結果報告書
しばし笑い続けるも、ふと田中さんを見ればすっかりご機嫌を損ねてしまったようで、そっぽ向いてしまっていた。


しまった、堪らず笑ってしまったけれど、完全に気分を悪くさせちゃったよね。


すっかり笑顔も消え失せてしまい、恐る恐る声を掛けた。


「すみません、笑ったりして」

「いいえ、笑われるような言動を取ってしまった私が悪いのでお気になさらず」


うっ……! 相当ご立腹のようだ。


「ちっ、違います! 決して可笑しくて笑ったわけではありませんから!」


誤解を与えてしまったことを分かって欲しくて、必死に言葉を並べていく。


「ギャップ萌えと言いますか、その……意外な一面を見れて嬉しくて。それにますます田中さんのことが好きだなって思えて、それがまた嬉しくて……だから決して悪気があって笑ったわけじゃありません」


必死の言い訳も、最後の方は声が小さくなってしまった。

私を見る田中さんの目が、『信じられない』と言わんばかりに大きく見開いていったから。

沢山の人が行き交う園内で、見つめ合うこと数十秒。
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