カタブツ上司に愛された結果報告書
「いやその……話せば長くなるけど」

「是非聞かせて!!」

目を輝かせ即座に答えた彼女に、面接日の出会いのことから順を追って話していった。



「なるほどねぇ……そっかそっか。田中さんと面接日にそんなことがあったわけだ」

「うん」


全てを話し終えると、灯里ちゃんは感慨深さそうに何度も頷いた。


「嬉しいな、ほら。私にとって田中さんもなんかお兄ちゃんみたいな存在だからさ。……いつも思っていたんだ。お兄ちゃんにこき使われてばかりで、田中さんは幸せなのかなって」


こき使われてって……。灯里ちゃんもなかなか言うね。


でもそう見えても仕方ないよね。
会社のみんなは全員そう思っているんじゃないかな? 田中さんは代表にこき使われているって。


想像しながらも、運ばれてきた料理を口に運ぶ。


「仕事一筋で隙がないじゃない? そんな田中さんに昨日聞かれたの。最近の若い人はどこに遊びに行かれるのですか?って」

「――え、田中さんに?」

箸を持つ手が止まってしまう。
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