カタブツ上司に愛された結果報告書
「うん。それに最近の田中さん、どこか嬉しそうだったからピンときて。さり気なく問い詰めてしまったわけです」

「……そうだったんだ」


なんだろう、これ。
なぜか胸の奥がモヤモヤしてしまう。


だって田中さん、会社の誰にも内緒だって言っていたのに。
それなのに灯里ちゃんには話していたんだ。……デート場所だって灯里ちゃんに聞いていたなんて――。


やだな、私。心狭すぎる。

灯里ちゃんもさっき言っていたじゃない。お兄ちゃんみたいな存在だって。
田中さんにとっても、灯里ちゃんは妹みたいな存在なのかもしれない。

だから話したんだよ、きっと。


無理やり自分に言い聞かせ、話題を変えた。


「昔の田中さんってどんな感じだったの?」


せっかくの機会だし聞きたい。
昔の田中さんはどうだったのか。


「んー、そうだなぁ……。特に今と変わらない、かな? 昔からずっとあんな感じだったよ。隙がないというか、ちょっぴり怖いというか」

「そっか」
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