カタブツ上司に愛された結果報告書
やっぱり田中さんはブレることなく、昔から“ロボット人間”だったわけだ。

妙に納得してしまう中、ご飯を頬張りながら灯里ちゃんは田中さんの話を続けた。


「私が田中さんと知り合ったのは、お兄ちゃんが会社を立ち上げてからなんだけど、本当に変わっていないよ。仕事真面目で、誰よりもお兄ちゃんのことを理解している人」


その言葉に、デートした日に話していた田中さんの話を思い出してしまった。


田中さんにとって代表がかけがえのない存在のように、代表にとってもそうじゃないのかな? ふたりの普段のやり取りからしてみてそう思えてしまう。


お互い知り尽くして信頼しているからこそ、言いたいことを言い合えるような気がする。


うーん……ダメだな私。
灯里ちゃんにだけではなく、代表にまで軽くジェラシーを感じてしまうなんて。


気分を入れ替えるようにウーロン茶を一気に飲み干し、もうひとつ気になっていることを思い切って問いかけてみた。


「ねぇ……あのさ、灯里ちゃんが田中さんと知り合ってからさ、その……田中さんに彼女がいたりしたことってあった?」


「――え、田中さんに?」

「うん」

妙に緊張してしまう。
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