カタブツ上司に愛された結果報告書
「確か数年前だったかな? 私もお兄ちゃんから聞いた話だから詳しくは知らないんだけど、当時田中さんには好きな人がいたらしいんだけど、どうも報われない相手だって言っていたらしいよ」
「報われない相手……」
衝撃的だった。
田中さんにそんな相手がいたなんて。
それに数年前ってことは、私が田中さんと出会う前のことでしょ?
「その人とどうにかなったって聞いていないし、本当に報われない恋の相手だったのかもしれないね」
「そう、なんだ……」
口の中がカピカピに乾燥している。
過去のことだし、出会う前のことだもの。
聞いたからってどうにもならないことだけど……モヤモヤしてしまう。
田中さんが好きだった人。
数年前ってことは代表が会社を設立して、間もない頃かもしれないってことだよね。
その頃に好きだった人――か。
すっかり意気消沈してしまっていると、灯里ちゃんはハッとしたように慌て出した。
「って言っても本当に数年前の話しだし! 今は美海ちゃんっていう彼女がいるんだもの。関係ない話だよ!? それにほら! あのお兄ちゃんの言うことだもの。もしかしたら勘違いかもしれないから」
「……うん」
「報われない相手……」
衝撃的だった。
田中さんにそんな相手がいたなんて。
それに数年前ってことは、私が田中さんと出会う前のことでしょ?
「その人とどうにかなったって聞いていないし、本当に報われない恋の相手だったのかもしれないね」
「そう、なんだ……」
口の中がカピカピに乾燥している。
過去のことだし、出会う前のことだもの。
聞いたからってどうにもならないことだけど……モヤモヤしてしまう。
田中さんが好きだった人。
数年前ってことは代表が会社を設立して、間もない頃かもしれないってことだよね。
その頃に好きだった人――か。
すっかり意気消沈してしまっていると、灯里ちゃんはハッとしたように慌て出した。
「って言っても本当に数年前の話しだし! 今は美海ちゃんっていう彼女がいるんだもの。関係ない話だよ!? それにほら! あのお兄ちゃんの言うことだもの。もしかしたら勘違いかもしれないから」
「……うん」