部長っ!話を聞いてください!
神様が与えてくれたかのようなこのベストなタイミングで、プレゼントを渡してしまった方が良いような気がする。
むしろ社内で手渡すことの方が難しいかもしれない。
今、この瞬間を逃しちゃいけない。
「ぶっ、部長っ!」
微妙に高くて、震えていて、緊張がしっかりと声にあらわれてしまった。
恥ずかしい……けど、ここで怖気づくわけにいかない。
「部長!」
改めて呼びかけると、涼やかな視線を私に向けたまま、部長が足を止めた。
「なんだ」
「こっ、これっ!」
持っていたショッピングバックを、部長に向かって突きだすと「ん?」という声が返ってきた。
部長は僅かに目を細め、首を傾げている。
「部長の誕生日のプレゼント、買ってきちゃいました」
言った瞬間、私の手元を見つめていた部長の目が大きくなった。
そのまま信じられないと言った様子で、私を見た。
「お誕生日、おめでとうございます!」
はにかみつつ、笑みを浮かべると、部長がほほ笑み返してくれた。
「俺があんな風に言ったから、買わなくちゃいけない気にさせたよな。悪かった」
「いえ、そんなことないです。何が良いかなって選ぶの、とても楽しかったです」