部長っ!話を聞いてください!
背中からじわりと伝わってくる部長の温もりがとても心地いい。
しばらくこうしていたい……なんて幸せな気分に浸っていたけれど、
「愛由花」
部長が低く唸るように私を呼び、こちらに体を向けた。
「部長、なんですか…………あっ!」
思わず息を飲む。
雑巾を持ったまま部長に抱きついてしまったから、吸い取った液体が部長のポロシャツに染み込んでしまっている。
今朝のように、冷やかな視線を向けられ……私は笑みを浮かべた。
「ごめんなさいっ!!」
「お前、悪いと思ってないだろ。顔が笑ってる」
笑った部長も、照れた部長も好き。
だけど、不機嫌な部長もちょっぴり可愛く見えてくる。
「もっと、部長のいろんな表情が見たいです! 部長のことが知りたいです! 教えて下さいっ!」
私は一番近くで、部長のことを見ていたいんだ。
テーブルの上に雑巾を置いてから、改めるように部長へ体を向け、期待のこもった眼差しをむけると、苦笑しながらも、部長が両手を広げてくれた。
「部長っ!」
私は笑顔で、部長の胸へと飛び込んでいった。
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