王子様は女嫌い!?
「…っど、したの?」
その鋭い瞳に、思わず体が震える
あたしは無意識に、服をギュッと掴んでいた
「……………」
唯君は何も言わずに、ただあたしを睨みつける
………唯、君?
何で怒ってるの?
何で何も言ってくれないの?
何も反応を示さない唯君に、泣きそうになるけど
今は、耐えた
こんな時に限って、図書室には誰も来ない
人がいない図書室は、いつもより広く感じた
「…………お前さぁ」
唯君が、本当に本当に小さな声で呟いた
反射的に、ビクッと震える
「………………」
その様子を見た唯君は、一回だけ瞬きをして
あたしに言ったんだ
「やっぱ、ウザイわ」
あたしを否定する言葉を…………
あたしを絶望に追いやる言葉を…………
確かに、言ったんだ…