王子様は女嫌い!?



「…っど、したの?」




その鋭い瞳に、思わず体が震える




あたしは無意識に、服をギュッと掴んでいた




「……………」



唯君は何も言わずに、ただあたしを睨みつける





………唯、君?




何で怒ってるの?



何で何も言ってくれないの?





何も反応を示さない唯君に、泣きそうになるけど



今は、耐えた






こんな時に限って、図書室には誰も来ない




人がいない図書室は、いつもより広く感じた
















「…………お前さぁ」




唯君が、本当に本当に小さな声で呟いた




反射的に、ビクッと震える





「………………」



その様子を見た唯君は、一回だけ瞬きをして



あたしに言ったんだ




















「やっぱ、ウザイわ」






















あたしを否定する言葉を…………




あたしを絶望に追いやる言葉を…………




確かに、言ったんだ…




< 19 / 40 >

この作品をシェア

pagetop