王子様は女嫌い!?
図書室には、あたし以外誰もいない
いつの間にか、夕日が部屋の中に差し込んできていて
部屋全体が、なんだか淋しく見えた
あたしはカウンターに座って、窓から見える、沈みゆく夕日を見ながら
ただただ、唯君のことを思っていた
「結局は、あたし1人が喜んでただけか…」
自嘲気味に言葉がもれる
あたし1人が、馬鹿だっただけなんだ
唯君と話せるようになって
他の子より自分は特別だなんて考えて
舞い上がって…
唯君が、何を思ってたかなんて、考えもしなかった
女嫌いの唯君が、好きであたしといるワケがないことくらい
少し考えれば分かったことなのに…
「…あたしといるの、嫌だったのかな」
今まであたしと話してたのも、図書委員という仕事のためだったのかもね