小悪魔な彼にこっそり狙われています
それから、数日後。
8月頭の土曜の夜に、私たち社員の姿は大きなシャンデリアが輝く、広々としたパーティルームにあった。
会社がある品川から10分ほどの位置にある、天王洲アイル近くの大きなホテルのパーティルーム。
そこでは社内の希望者が参加できる、社員納涼会と言う名の立食パーティが行われていた。
そう、先日私と来栖くんが買いに行ったビンゴの景品が使われるイベントだ。
社員総数100名ほどのうちの会社。その中の8割が参加するこのパーティは、『社長が社員をもてなすこと』が目的だそうで、いくつもの丸テーブルに並べられた食事がなんとも豪華だ。
社員たちが皆それぞれに盛り上がりながら、食事に手を伸ばす。
そんな中で私はひとり、それを見ながらホールの壁際でグラスの中のシャンパンに口をつけた。
……本当は、納涼会なんて参加する気分じゃないんだけど。
一度は欠席の意思を部長に伝えたところ、それを耳にしたらしい桐生社長から『そんなこと言わないで参加しようよ〜!ね!』と丸め込まれてしまった。