小悪魔な彼にこっそり狙われています



チラッと見れば、社員たちと会話をしていた桐生社長とちょうど目が合い、彼はへらっとした笑みを見せてこちらへ手を振った。

こっちの気持ちも知らないで、相変わらずへらへらと……。



呆れたように社長から目をそらし見た先には、女性社員たちが数名集まっている箇所がある。

その真ん中には来栖くんがおり、先日営業部の女性が話していた通り、皆この機会を逃すまいとでもいうかのようにひっきりなしに声をかけている。



来栖くん、モテてるなぁ……。

今連絡先を聞いても、近づいても、彼は札幌支社に行っちゃうんだけど。皆それでもいいんだろうか。

遠距離なんて乗り越えられるくらい好き、ってことなのかな。



そんな気持ちで見つめていると、彼とバチッと目が合う。

不意に交わるその視線に驚きと戸惑いで跳ねる心臓に、私はあわてて目をそらした。



……目、そらしちゃった。

けど、久しぶりに合った目と目に、心臓は強くドキドキと鳴っている。それを落ち着けるべく、手元のシャンパンをぐいっと飲み干した。



< 114 / 147 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop