小悪魔な彼にこっそり狙われています
その時だった。
「ビンゴ」
低く大きな声が、会場に響いた。
その声に一斉に皆が見た先にあるのは……なんと来栖くんの姿で、彼は一列が綺麗に空いたビンゴカードを上に掲げ、ステージの方へ歩いていく。
「おっ、来栖くん?早いねぇ、お見事!」
「どうも」
そんな彼に、桐生社長は驚きながらも嬉しそうに言いながら、『一位』と書かれた封筒を取り出す。
封筒……ってことは現金?もしくは金券?
とんでもない金額なんじゃないだろうか……。
「一位の来栖くんには……じゃーん!【社長がなんでもあげます券】!」
ところが、予想を超えたその中身に、私を含めその場の参加者全員から「えぇ!!?」と大きな声があがった。
な、なんでもって……そんな景品あり!?
「またそんな秘書に怒られそうなものを……」
呆れた顔でつぶやく来栖くんの言葉に、舞台袖にいる社長秘書を見れば、彼女は凍えそうなほど冷ややかな目で社長をにらんでいる。
その視線を感じているのかいないのか、桐生社長はそちらへ視線を向けることなくへらへらとしたまま言う。