小悪魔な彼にこっそり狙われています



「けど井上課長、私のせいでストレス溜まってるんですかね?昨日の飲み会でやけ酒もしてたし……」

「あー、めずらしく悪酔いしてたな。来栖が絡まれまくってて可哀想だったよなぁ」



……げ。昨日の飲み会での姿、見られていたんだ。

彼からの『来栖』の名前に、心臓はギクリと嫌な音を立てる。



「けど来栖、帰りもきちんと送ってあげてたし、いい奴だよな〜。しかも他の女の子なら送ったついでに恋でも始まるかもしれないけどさ、相手が井上さんじゃなぁ。怖くてムラッともこねーよ」

「えっ、いや、あの……」



けれど、続けて発せられる彼の言葉はなんとも失礼なひと言。

町田さんもなんて返していいのかが分からないようで、困ったように曖昧な声を出す。



なっ……悪かったわね!怖くて!ムラッともこなくて!!

いや、まぁここで『もしかしたらあのふたりあの後……』と変な噂になるよりはマシだけど。

でも私だって一応女性だ。失礼な言われ方をすればムッともする。



失礼な同期め。いきなりオフィスに現れてびっくりさせてやる。

そう企みドアを思い切り開けようとした、その時。


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