小悪魔な彼にこっそり狙われています
『い、井上さん?』
『もう、なんなのよ……ほんとに……おとこなんて……おとこなんてねぇ……バカヤロー!!!』
『え!?』
赤い顔と回っていない呂律、なにを言っているかよくわからない話。それらから確実に酔っ払っているらしい。
いつもの凛々しい姿とは打って変わって、彼女はぐったりとテーブルに伏せている。
見ればそんな彼女の横には、ビール瓶が5本ほど転がっていた。
俺は考え事をするばかりで全く気づかなかったけれど、ハイペースでかなりの量を飲んでいたようだ。
『井上さん、大丈夫ですか?』
『だいじょーぶ、だいじょーぶ……』
そうは言っても大丈夫には見えなくて、俺は店の人に頼んで水を貰うと、それを澪さんの前に差し出す。