小悪魔な彼にこっそり狙われています
ひとりがっくりと肩を落とすと、膝の上のチワワが不思議そうに首をかしげた。
その姿もまたかわいらしく、私は小さな頭をよしよしと撫でる。
「私もキミみたいにかわいくなれたらいいんだけどね……」
「充分かわいいと思いますよ」
「またまた、そんなお世辞を……って、ん?」
一瞬目の前のチワワが言ったのかとも思ってしまったけれど、そんなわけがない。
じゃあ誰が?と声がした右側を振り向くと、そこにはスーツ姿で犬を撫でる彼……来栖くんがいた。
「く、来栖くん!!?」
どうして彼がここに!!?
驚きつい大きな声を出してしまってから、ここが大声厳禁なことを思い出し、すぐにハッと口を塞いだ。
そして勢いよく問い詰めたいのをグッと堪えて、精一杯冷静を装う。
「な……なんでここに……」
「なんでって……犬に癒されに?」
絶対嘘だ!!
しれっと答える無表情の彼に、ゴールデンレトリーバーの仔犬は頭を撫でられ嬉しそうにしっぽを振る。