小悪魔な彼にこっそり狙われています
「あーもう、本当最悪ー!」
その時聞こえた大きな声に、思わずビクッと顔を上げた。
するとそこにいたのは、今朝来栖くんに抱きついていた女性社員……そう、来栖くんの元カノと、その友達なのであろう経理課の女性社員だ。
その姿につい咄嗟に通路の物陰に隠れて様子をうかがうと、ふたりはもう帰るところらしく、キーッと声をあげる来栖くんの元カノに、女性社員は苦笑いでなだめた。
「ちょっと、声大きいって。秘書課のオフィスすぐそこだし聞こえるよ?」
「いいよ、晶どうせもう帰ったらしいし!それより聞いてよ!超ショックだったんだから!」
『晶』、その名前から来栖くんの話をしているのだとすぐに察すると、話題はきっと今朝のことなのだと気付いた。