小悪魔な彼にこっそり狙われています



『好きな人がいるから無理』

『あの人以上はいないから』



来栖くんが彼女に言った、それらの言葉。

勝手に卑屈になって、来栖くんの気持ちを無視したような言い方をした。けど、来栖くんは揺らぐことなく伝えていた。

それらが本当に、私に対して向けられた気持ちなのだとしたら。



……謝らなきゃ。



目を見て、きちんと謝らなきゃ。

そして、どうしてあんな言い方をしてしまったのか、伝えなきゃ。



素直じゃない自分が、どこまできちんと伝えられるかはわからない。

だけどこの胸に込み上げる愛しさを、伝えなきゃ。



つまらない意地で同じことを繰り返してはいけない、と。

今が変わる時だ、と。

この心が、知らせている。







< 92 / 147 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop