腹黒御曹司がイジワルです

「僕はもちろんひとり」


優しく微笑む彼は、体のラインにぴったり合った上質なスーツを着こなし、いつも通り柔らかな笑みを見せる。


「もちろんって。よりどりみどりでしょう?」


実際、今も会場中から視線を集めている。


「うーん。でも落としたい女性はひとりしかいないんだよね。でもその人は、僕に興味がないみたいで」

「なに贅沢なこと言ってるのよ」


思わず本音が出た。
自分が賢との恋にしがみついている気がして、選べる彼がうらやましかったのかもしれない。


「我妻さんって面白いね。僕にそんなことズバッと言うの、我妻さんくらいかも」


彼はクスクス笑っている。

取り巻きさんと違って、かわいげがなくてごめんなさいね。


「もう、ほら、どこか行きなさいよ」


チラチラと注がれる女子社員の目が私を突き刺してくるから。
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