腹黒御曹司がイジワルです
「金に物を言わせるってやつか」
「宮城君はそんな人じゃないよ?」
宮城君は、御曹司だからといってそれを鼻にかける人でもないし、お金の力を使って自分の思い通りにしようとしたことも一度もない。
私たちと同じように汗水たらして働き、同じ感覚で接してくれる。
「庇うのか?」
「そういうわけじゃ、ないけど……」
事実を言ったまでだけど、賢は気に入らなかったようだ。
彼の不機嫌は直らない。
でも、それから賢はずっと、私をエスコートしてくれた。
マーケティング部の同僚にも紹介してくれたし、大満足の一日だ。
勇気を出して誘ってよかった。
これで、鉄の女も卒業かしら。
「志穂!」
しばらくすると、千佳もやってきた。
「賢。私の友達の千佳。総務にいるの」
「総務、ですか……。初めまして、持田です。いつも志穂がお世話になってます」