腹黒御曹司がイジワルです
「なにか食べます? 僕、取ってきましょうか?」
耳に届くその柔らかい口ぶりは、営業部で女子社員から話しかけられるときと同じ。
モテモテね……。
あの王子スマイルで優しくされたら、女はイチコロかも。
でも、周りの女子社員は彼が御曹司だから好きなのか、宮城君自身を好いているのかどっちなんだろう。
もしかして、御曹司というのも大変なのかも。
「志穂、どうかした?」
「ううん。なんでもない」
一瞬、別のところに意識が飛んでしまっていたことを賢に感づかれて、ビクッとする。
せっかく賢と一緒にいられるのだから、もっと楽しまなくちゃ。
そう心に決めたとき……。
「持田さん!」
目がクリクリとして背が低く、守ってあげたいと思うような、私とはタイプがまるで違うかわいらしい女性に、賢の方が話しかけられた。