憂鬱な午後にはラブロマンスを
洋介の周りに女性社員が集り始めると、洋介は座布団から降りて横にごろ寝をした。
「部長、もう酔ったんですか?」
寝転ぶ洋介に近くに座っていた男性社員がケラケラ笑いながら「年には勝てないのかなぁ~?」とふざけたことを言っていた。無礼講な宴会だけに全く気にしない洋介はそのまま寝転んでいた。
「ああ、俺の代わりにお前たちが相手してやってくれ。」
洋介は目を閉じると寝たふりをしていたが、枕がないと寝心地が悪いのか座布団を折り曲げたり腕枕をしていた。
それでも頭の高さが合わないのか辺りをキョロキョロと見ると珠子の膝に頭を乗せた。
「ちょっと、不味いわよ。」
「いいさ、これくらい。今日は無礼講だ。」
「それ、意味違うし!」
洋介の膝枕に戸惑っていると、周りの女性社員達が目の色を変えて珠子を取り囲んだ。
洋介は珠子の体の方へと向きを変え、まるで、珠子の体に抱きつくかの様に寝そべっていた。
「ちょっと、何よそれ!」
「遠藤さん、直属の部下だからってやりすぎだわ!」
「そうよ、汚いわよ!」
「違うのよ、これは、部長が」
女性社員らの騒ぎに俊夫も気付き、他の部署の社員らも騒動に気付き始めると珠子を睨む視線は増えるばかりだ。
「ねえ、起きてよ。周りが怖いことになってるのよ。」
「少し仮眠させろよ。途中でバスからいなくなって心配させた罰だ。」
珠子が社長に呼び出され洋介らとは別々の車で旅館に来たことを責められている気分だ。