憂鬱な午後にはラブロマンスを
珠子は社長の宿泊室へと連れ込まれていた。
「やめて!」
「君はまだ彼に未練があるのか?」
「そんな・・・社長」
「二人の時は俊夫と呼ぶんだ」
まるで自分の女と言わんばかりの扱いに珠子はだんだん俊夫が怖くなる。
だから、俊夫には近づいてはいけないと思いながらも逃げられない自分が情けなかった。
今もまた俊夫に逆らえずに部屋へと連れ込まれてしまった。
車内よりここは条件が悪すぎる。
個室には他の社員はやって来ない。誰も来ないという事は助けがない。
そして、個室では何をされても周りには気付かれない。
このまま押し倒されたらお終いだと、珠子は必死で俊夫の体を跳ね除けていた。
「こんな無理強いするなんて、社長らしくありません。」
「無理強いだって? 君は俺との結婚を考えてくれているはずだ。」
珠子はプロポーズの返事はしていないが、それは「NO」と言わせない俊夫の所為で言えないだけだ。
なのにそれを如何にも結婚を承諾したような物言いをされると流石の珠子も怒りが込み上げて来た。
「私は結婚に承諾した覚えはありません!」
「断られた記憶もないよ」
不敵な笑みを見せる俊夫は身動きが取れない様にしっかりと珠子を抱きしめ唇を口で塞いだ。