キミと初恋、はじめます。
「あ、今」
「え?」
ひょこっと身を屈めて、あたしの顔を覗き込んできた翔空に、ビクッと身体が揺れる。
「今、自分ばっかり照れて恥ずかしいって思ったでしょ?」
「!?」
ズバリと言い当てられた心に、あたしはギョッと目を見開く。
こ、この人エスパー……!?
「俺エスパーじゃないよ。シキちゃんがわかりやすいだけ」
「わ、わかりやすいって……!そ、そんな事ないよ!」
わからないけど!と心の中で付け加えた。
「ほら、シキちゃん。わかる?」
繋いだ手を持ち上げ、翔空は自分の胸へと持っていった。
「な、なにを……」
制服の上から触れた彼の身体は温かくて、手に伝わって来る鼓動は、あたしと同じくらい高鳴っていた。
な、な、なにこれ?
これどういう状況……!?
驚いて翔空を見上げると、少し照れたように微笑んでその手を下ろす。
「ね?俺だって、どきどきしてるの。好きになった子、初めてなんだからさ」
「は、初めて?」
思わず考えるより先に聞き返した。
「さっきも言ったでしょ?俺、恋愛事とかに興味ないタイプだったから。好きな子もほとんど出来た事ないの」
「ほとんど?ってことは、あるの?」
「ん、昔、一度だけある。その時も一目惚れだったけど、結局名前もわからずに告白なんて夢のまた夢だったから……ほぼ、ないようなものだよ」
そ、そんなに一目惚れ気質なの?
ポカンと口を開けたあたしに、翔空はクスリと笑って、こてんと首を傾げた。