キミと初恋、はじめます。
「友達とかも出来ないし、落ち着かないよ」
あたしは、ひとつの場所に長く住んでる人に憧れるんだ。
心を通わせる友達が出来たり、彼氏が出来たり……そんな事すら出来ないんだから。
「友達?俺ら、もう友達でしょー?」
「え?」
「俺的にはカノジョになって欲しいんだけど、シキちゃんにはまだその気がないみたいだからね」
サラッと言った翔空を驚いて見上げると、くすりと笑った彼は改札を出て立ち止まった。
友達、か。
この友達という関係は、あたしがこの場所からいなくなったら消えるのだろうか。
元からなにもなかったように、あたしの存在すら忘れて……どこかに飛ばしてしまうんじゃないだろうか。
あたしを、好きだと言った翔空でさえも。
そんなことを思いながら、隣でキョロキョロと辺りを見渡す翔空をちらりと見上げた。