キミと初恋、はじめます。
「シキちゃんち、どこ?」
「え?あたしんちはあっちだけど…」
「あ、俺んちと同じ方向だ。んじゃ、行こー。俺わかんないから、シキちゃんが俺のこと連れてってね」
「あの、でも、翔空?あたし、本当に一人で帰れるから大丈夫だよ?」
「さっきも言ったでしょー?俺がシキちゃんを送りたいの。あ、シキちゃん家知りたいって気持ちもあるー」
それ、やっぱり後者が強いよね。
あたしん家なんか知っても、翔空はなにも得しないのに。
やっぱり翔空はわからない。
このマイペースさにはついていけないよ、あたし。
手を繋いだまま、まだ覚えたての帰り道を翔空と並んで歩く。
大通りから外れると一気に人の気配がなくなって、シーンとした静かな時間が訪れた。
…………き、気まずい。