キミと初恋、はじめます。


「……と、翔空?」


「んー?」



んー?って首を傾げられても、困る。


なに話そう……。

とにかくこの気まずい雰囲気はなんか嫌だ。



「と、翔空ってマイペースだよね!」



結局なにも思い付かなくて、第一印象を言ってみた。


……だってあたし、人と話すのあまり得意じゃないんだもん。


人見知りってわけじゃなくて、話す話題がわからないんだ。


お兄ちゃんなら普通に話せるけれど。


それなのに、こんな王子さまみたいな人と一緒に歩いてて、しかも手まで繋いじゃってるこの状況って一体なんなんだろう。



「んー、俺は、自分の気持ちに素直に毎日生きてるだけ。……誰かに指図されて生きてるのって疲れるでしょ?」



翔空の言葉に〝それはわからなくもない〟と思った。


自分の気持ちに素直に生きていけるのなら、どれほど幸せなのだろう。


それが出来たら、なにも悩みはしないけれど。
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