DQN女がオトナになるまで。


だけどそんなときめき(?)も
あたしの中では一瞬で過ぎ去る。

とにかく、バイト内恋愛が
こんなにも身近で起きていることに
少しだけ興奮していた。



あたしがまた洗い物をしていると
キッチンの仕事を終え
ホールの手伝いに来た
佐野さんが近づいてきた。

「ねえ寺塚ってメンヘラなの?」

唐突な質問にあたしは一瞬固まった。
振り返ると佐野さんは
ニヤリと笑っていた。

「メンヘラじゃないです〜!」

「だってお前のつぶやきって
いっつも病んでない?」

佐野さんはSNSでの
あたしのことを言っているらしい。

確かに周りに比べると
思ったことをすぐ文字に変換してしまうし、
いい出会いもなく、最近の寂しさが
丸わかりだったのかもしれない。

「だってなんか寂しくなりません?」

「なんねーよ」

佐野さんは鼻で笑った。

「まあ暇なときは俺がLINEの相手してやるよ」

「え〜本当ですか〜?」

「暇な時な」




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