イジワル同期とスイートライフ
その日は夕方から、国内の特約店との会合が予定されていた。
それは予想通り、最後にはただの宴会と化した。
部屋に帰ったときには23時を過ぎていて、久住くんはベッドの上で寝ていた。
本を読んでいたら限界が来たんだろう、顔のそばで、指を挟んだままの本を持ったまま寝ている様子が、まるで電池切れした子供のようで笑ってしまう。
気配が伝わったのか、彼がぱかっと目を開けた。
「あれ、お帰り」
「いいよ、寝てて、シャワー浴びてくる」
「何時だ、今…」
寝そべったままベッドの上を叩く彼に、足元のほうに埋もれていた携帯を拾って渡してあげると、その手をつかまれ、ぐいと引かれた。
倒れ込む私を抱き寄せて、「こんな時間かよ」と眠たげな声をあげる。
「遅くまでお疲れさん」
「これでも三次会は免れてきたんだよ」
「よく飲むよなぁ、おっさんたちは」
温度の高い手が、ねぎらうように私の頭をぽんぽんと叩いた。
反対の手が、スカートからシャツを引っ張り出して、裾から潜り込んでくる。
ちょっと。
腰をなでられて、びくんと身体を反らすと、隙のできた首に吸いつかれた。
指が耳を優しくくすぐる。
「シャワー浴びたいんだってば」
「一回終わらせてからな」
「嫌だって、ベッドに臭いが移っちゃう」
「ほんと、すげえ飲み会の臭いする。近くに煙草吸う奴いた?」
「隣の人が、久住くんと同じの吸ってた」
「俺、こんな臭いにさせちまってんのか…」
首筋の髪に鼻を埋めながら、反省しているような声を出しつつ、手は本格的に私の服を脱がせにかかっている。
これはもう、どう抵抗しても中断はしてくれないだろう。
あきらめて向こうの首に両手を回すと、久住くんはちょっと顔を起こして、目を合わせながら柔らかく、何度もキスをしてくれる。
これからやりますっていう、いかにもなのじゃなく、優しくて清潔で、気持ちのいいキスを。