イジワル同期とスイートライフ
はっと顔を上げると、彼は困ったように眉根を寄せて、こちらを見ている。
そっちこそ、そんな顔しないでよ。
ていうより、私は今、どんな顔に見えているわけ。
「俺、お前に嘘なんかついてないぜ」
動揺したのは、伝わってしまっただろうか。
慌ててうなずくと、久住くんは少しの間じっと私を見て、やがて念を押した。
「信じろよ?」
言ってから、ここが打ち合わせスペースにもなる食堂の一角であることを思い出したらしく、ぱっと手を離すと、気恥ずかしそうに周囲を目で探る。
うん、信じてる。
久住くんは嘘はついてない、それは信じてるよ。
でもそこじゃないの。
どこって訊かないでね、もう少し目を逸らしていたいから。
とりあえず今、私を揺さぶっているのは、そこじゃない。
夜中に目を覚ました。
このあたりは駅前のメインストリートから少し外れた住宅地で、街の明かりも届かない。
家具の陰影がうっすら見えるだけの部屋の中、身体が覚醒するまで待ってから、水を飲もうとキッチンへ立った。
「どした?」
再びベッドに潜り込んだとき、久住くんが気配に気づいた。
こちらに身体を向けて、私を懐に入れてくれる。
「ちょっと喉が渇いただけ」
「眠れないの?」
喉が渇いただけって言っているのに。
なかなか寝つけずにいたことに、気づいていたんだろう。
抱き寄せた私の頭をなでながら、眠そうな声が笑った。
「エッチしないと眠れない身体になっちゃったんだな、かわいそうに」
「下品…」
呆れて息をつく私を覗き込むようにして、唇に柔らかいキスをくれる。
彼の言う意味とは違うけれど、眠れなかった原因は、確かにしなかったことにあるかもしれない。
そっちこそ、そんな顔しないでよ。
ていうより、私は今、どんな顔に見えているわけ。
「俺、お前に嘘なんかついてないぜ」
動揺したのは、伝わってしまっただろうか。
慌ててうなずくと、久住くんは少しの間じっと私を見て、やがて念を押した。
「信じろよ?」
言ってから、ここが打ち合わせスペースにもなる食堂の一角であることを思い出したらしく、ぱっと手を離すと、気恥ずかしそうに周囲を目で探る。
うん、信じてる。
久住くんは嘘はついてない、それは信じてるよ。
でもそこじゃないの。
どこって訊かないでね、もう少し目を逸らしていたいから。
とりあえず今、私を揺さぶっているのは、そこじゃない。
夜中に目を覚ました。
このあたりは駅前のメインストリートから少し外れた住宅地で、街の明かりも届かない。
家具の陰影がうっすら見えるだけの部屋の中、身体が覚醒するまで待ってから、水を飲もうとキッチンへ立った。
「どした?」
再びベッドに潜り込んだとき、久住くんが気配に気づいた。
こちらに身体を向けて、私を懐に入れてくれる。
「ちょっと喉が渇いただけ」
「眠れないの?」
喉が渇いただけって言っているのに。
なかなか寝つけずにいたことに、気づいていたんだろう。
抱き寄せた私の頭をなでながら、眠そうな声が笑った。
「エッチしないと眠れない身体になっちゃったんだな、かわいそうに」
「下品…」
呆れて息をつく私を覗き込むようにして、唇に柔らかいキスをくれる。
彼の言う意味とは違うけれど、眠れなかった原因は、確かにしなかったことにあるかもしれない。