イジワル同期とスイートライフ
「当日のガイドマップです。最終的には多言語化したいということでしたので、早めに内容を固めてしまおうかと」
「うわあ、助かります」
花香さんが、でへへえ、みたいな変な笑い方をしたのでぎょっとすると、久住くんがカップを持った手で、ぞんざいに彼女を指さした。
「こいつ、六条のことが好きなんだと」
「えっ?」
「ちょっと、やめてよウフフ」
花香さんがにこにこしながら、顔中ピンク色になって久住くんをばしばし叩く。
「痛えよ」
「あの、六条さんすみません、お気になさらず」
「自分がこんなだからさ、お前みたいに落ち着いててきれいなタイプ、憧れなんだよ、昔から」
キャーと恥ずかしがりながら、小柄な身体が足踏みで弾んだ。
「あのっ、こんな男とご同期とか、さぞうんざりかと思いますが、私のことはどうか嫌いにならないでください」
「お前に言われたくねえよ、自己中女」
「は? ごめん聞こえない」
「頭来るわマジで…」
「六条さん、もし30分ほどお時間よろしければ、マップについてご説明させていただいてもよろしいですか」
「あ、はい、大丈夫です」
「賢児も?」
「いいよ、じゃあPC取ってくる」
カップを捨てて、久住くんが階段のほうに向かう。
その背中に声をかけた。
「商談ブースにいるよ」
「ん、先始めといて」
受付の横にある、パーテーションで仕切られたブースのひとつに入ると、花香さんが席に着きながら、なにやら悪い笑みを浮かべた。
「いやあ、あの男も六条さんのこと、かなり好きですね」
一瞬意味がわからなかった。
「うわあ、助かります」
花香さんが、でへへえ、みたいな変な笑い方をしたのでぎょっとすると、久住くんがカップを持った手で、ぞんざいに彼女を指さした。
「こいつ、六条のことが好きなんだと」
「えっ?」
「ちょっと、やめてよウフフ」
花香さんがにこにこしながら、顔中ピンク色になって久住くんをばしばし叩く。
「痛えよ」
「あの、六条さんすみません、お気になさらず」
「自分がこんなだからさ、お前みたいに落ち着いててきれいなタイプ、憧れなんだよ、昔から」
キャーと恥ずかしがりながら、小柄な身体が足踏みで弾んだ。
「あのっ、こんな男とご同期とか、さぞうんざりかと思いますが、私のことはどうか嫌いにならないでください」
「お前に言われたくねえよ、自己中女」
「は? ごめん聞こえない」
「頭来るわマジで…」
「六条さん、もし30分ほどお時間よろしければ、マップについてご説明させていただいてもよろしいですか」
「あ、はい、大丈夫です」
「賢児も?」
「いいよ、じゃあPC取ってくる」
カップを捨てて、久住くんが階段のほうに向かう。
その背中に声をかけた。
「商談ブースにいるよ」
「ん、先始めといて」
受付の横にある、パーテーションで仕切られたブースのひとつに入ると、花香さんが席に着きながら、なにやら悪い笑みを浮かべた。
「いやあ、あの男も六条さんのこと、かなり好きですね」
一瞬意味がわからなかった。